埋伏歯抜歯・口腔外科治療 -口腔外科専門医による治療をお望みの方- - 安心安全, インプラント治療困難症例 と 骨造成 横浜市

歯科・口腔外科治療

当院の歯科口腔外科治療は常勤の口腔外科専門医が行います

歯科・口腔外科領域の治療はかなり広く、小さなものでは親知らずの抜歯、大きなものでは舌がんを始めとする命にかかわるものまでありますが、当院では日帰り手術・処置で対応できる病気・病状のものを治療します。

具体的な治療内容

  • 親知らずや埋伏歯の抜歯
  • 歯根端切除ならびに歯根嚢胞摘出
  • 日帰りの手術可能な舌や歯肉、頬の良性腫瘍摘出
  • 眼・耳を含まない口腔・顔面外傷
  • 顎骨嚢胞摘出
  • 歯性上顎洞炎の診断・処置  など                  

抜歯器具の準備

当たり前の事ですが,抜歯に必要な器械をまとめて滅菌パックに入れ,Bクラス(現在もっとも滅菌能力の高いクラス)オートクレーブ滅菌器で完全滅菌しています.手術前に滅菌パックから取出て準備します(左の写真).埋伏歯などの抜歯を行う部屋はヘパフィルターで浄化した空気で陽圧管理をしています.

エアタービンや歯科用エンジンハンドピースのヘッドももちろんBクラスオートクレーブ滅菌器で完全滅菌したものを使います.ハンドピースの取り付け部分はエチレンオキサイドガスで滅菌したビニール製スリーブの中を通し滅菌した器具を汚染しないようにしています.

症例

症例紹介写真のうち、いくつかのハッとする写真が出るかも知れません。

気の弱い方は心の準備をお願いします。

埋伏した親知らずの抜歯

35歳 女性のエックス線写真です。

これはかなり珍しい歯の生え方をした症例です。

向かって左下(患者さん本人にとっては右側)の一番奥のは2本に注目してください。

ほとんどの症例では一番奥の親知らずが骨の中に潜っているはずなのに、第2大臼歯を押さえ込むようにして上に乗っています。生えていた親知らずが虫歯になり痛くて受診されました。

こうなると患者さんから見て右の奥2本は抜くしかありません。左下の寝そべっている親知らずも抜歯の適応です。

上のエックス線写真の患者さんの口の中の状態です。虫歯になった親知らずが一番奥に見えます。

親知らずの一番の問題は腫れること(顎炎)を引き起こすことですが、それと同じくらい重要なこと、それは手前の第2大臼歯を虫歯にしやすくしてしまうことです。

このように寝そべったような親知らずの抜歯は一般的に口腔外科専門医が対応します。

57歳 女性のエックス線写真です.

よくある感じの “下顎水平埋伏智歯” です.歯冠周囲炎が第2大臼歯までに及んだ患者さんで,何回も痛んだ既往があります.ついに意を決して抜歯をされました.

6年前より当院ではこのような患者さんの抜歯に際しては,デンタルCTを必ず撮影します.

このような抜歯は細心の注意で行います.なぜならこの親知らずの直ぐ下には“下顎管”という神経・血管を容れた骨のトンネルがあるのですが,これが一部歯根に接触していました.歯根を注意深く取り除くと下歯槽神経が見えました.注意深い術前の診断と抜歯操作が必要です.抜歯後の腫れのあるうちはややしびれ感を自覚しますが,腫れの消退とともに下唇のしびれ感は改善して,術前の感覚に戻るのが殆どです.

25歳 男性のエックス線写真です.

まっすぐ生えているように見えますが,歯根の強い湾曲がみられます.これをまっすぐ上方に力を加え抜歯すると,歯根を折ってしまいます.このような場合には歯を分割してそれぞれを抜ける方向に抜歯する事がポイントです.

歯を上下に2分割して,歯の動けるスペースを作りました.少々きざな言い回しですが,抜歯操作中に ”君はどっちに抜けたいのかね?” と歯とコミュニケーションをします.そのコミュニケーションとは手にかかる反力と歯の動き方を注意深く読み取る事です.

左の写真の歯根は90度に湾曲しています.

埋伏した過剰歯の抜歯

11歳の男児.この患者さんの親御さんが前歯の歯並びが良くない事に気付き,近くの歯科医院に受診しました.そこでX線写真を撮ると埋伏した過剰歯が確認され,このままだと歯並びは悪いままだと説明されそこより紹介来院しました.

 上の患者さんの上顎前歯部のエックス線写真です.この部位は過剰歯の多くが見られる部位で,このように埋伏(骨の中にもぐっている)している歯は案外多く見られます.

これは単純エックス線撮影写真なので唇側(外側)にあるか口蓋側(内側)にあるかはよく分かりません.CTを撮れば一目瞭然です.ただこの患者さんの場合,向かって左の歯の切縁(テッペン)が口蓋側(内側)に向いているので逆に歯根が唇側(外側)に押されて入る事が予測出来ます.

 

 口蓋側(内側)から粘膜骨膜弁を起し口がい骨を露出してから,もぐっている歯の位置を予測して骨を開鑿(ノミで開きます)します.埋伏歯の頭が見えました.

 このときそばにある歯の根を傷つけないように慎重に行わねばなりません.経験と注意力が必要です.

 

 

 無事にそばにある歯の根を傷つけず取り出してきました.

 この後は剥離した口蓋粘膜骨膜弁を元の位置に戻して,多くの場合粘膜骨膜弁が浮き上がらないようにシーネ(圧迫するもの)で3~4日間押さえます.

 1週間後抜糸してこの一連の治療は終了です.この後なにもしないでしばらく観察します.場合によっては歯の位置が正しくなる事もあります

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